海外営業は新卒として適切か?

国内営業はやりたくないけど、海外営業ならいいという就活生少なくないですよね。彼らの話を聞いていると、海外で働きたい、あるいは海外事業にかかわりたいので、営業でも海外なら別に良いといった思考をされている方や、海外において担当事業では未開拓の地に、自分が飛び込んでいき商談にこぎ着け、受注をもぎ取るといった若干商社マンのバイブルと言われて久しい「不毛地帯」のような志向の持ち主たちがいるなと感じます。

新卒の場合、インターン生を除いて多くの人は未経験の業務をやるので、本人がやってみたいと思えば、やるべきなので、ここでは客観的に新卒の初っ端な配属先として海外営業はよいのかどうかについて考えてみましょう。考えは十人十色であり、あくまで一意見ですのでご留意ください。

あなたにとっての海外営業の位置づけとは?

当たり前の前提として、自分が目指していることに対して、海外営業職がどのような位置づけであるのかを自分の中で仮説で良いので整理しておくことが大事です。そして目指していることも、実に様々な軸があることも併せて認識しておきましょう。

例えば、「海外営業のプロになりたい」というシンプルなものもあれば(手段がゴールになってしまっていますが良いと思います)、あるいは「グローバルマーケターのプロになりたいから後工程の商談、受注の成否を決める海外営業の現場を先に経験しておきたい」、はたまた「優秀なグローバルバイヤーになりたいから、売る側(現地営業側)アプローチやプロセス、マインドセットを学びたい」といった一つ先を見据えたゴールに対する海外営業という位置づけもよいでしょう。

「英語ができるようになりたいから海外営業にチャレンジしてみたい」でもよいでしょう。いずれにしても、自分にとって海外営業がどのような位置づけなのかを確認しておくことは大事です。

尚、あまりここで考えすぎても、やったことがないことに対してかつ長期的なキャリア軸で考えても、実際のところ空想×空想です。気張らずにそれなりに腹落ち感を持つ程度という想定で整理しておきましょう。よくやりたいことがわからないという人に対しては、まずはやってみて、そしてある程度やってみて、そこで初めて情熱がわくかがどうかが分かるので、やってないことを考え続けても、途中からは殆ど意味がないのではと投げかけています。

国内営業と海外営業は従事する業務がやや異なる傾向

会社の方針や規模、成長フェーズによりますが、得てして海外営業の場合は国内と比べて自社の販売ネットワークもマンパワーも乏しい為、地の利の観点から現地のディストリビューター等をうまくハンドリングして販売してもらうケースが少なくありません。

もちろん、相手が消費者であろうと、小売や卸、メーカー等の様々な業種のバイヤーであろうと、そしてディストリビューターであろうと、購買決定をする相手がいる点では本質的には営業そのものは変わりません。

しかし、配属された最初に従事する業務が、ディストリビューターの管理に終始するようなケースだとしたらいかがでしょう。自分では特に営業はせずに組織と組織、そして自社組織内のレポートラインに過ぎない場合はどうでしょう。それはそれで、十分学びはあるのですが、泥臭く新規開拓・商談を積み重ねてきた営業パーソンと、代理店の管理はしてきたけど、自分で新規開拓はやったことありませんという営業パーソンであれば、どちらが営業パーソンとしてのスキルを最初の3年で蓄えたといえるのでしょうか?

正解は前者、ではないですよね。どちらも正解であり、需要と供給ですから、新規顧客開拓の営業パーソンを求めている企業からすると前者ですし、新規開拓しなくていいからディストリビューターの管理してくれる人がほしいとなれば後者なわけです。

そこで自分が海外営業に何を求めているのかが大事であり、また海外営業になると現地での自社リソースの制約により代理店経由、かつ代理店も既にある程度揃っていて彼らの管理という名の右から左の情報展開になってしまうリスクがある点は注意が必要です。

国内営業出身者が海外営業をするとどうなる?

上記の管理業務に関して、ここで海外営業経験はないけれど、国内で新規顧客開拓数年バリバリやってきましたという方が配属されたらどうでしょうか。海外とはいえ、現地ディストリビューターのやっている業務プロセス自体は理解できるわけであり、彼らから上がってくる報告書に対しても自分なりの見解を持つことができます。

その結果、PDCAを回し、彼らをプラスの方向へ巻き込むことも可能なわけです。そう考えると、海外営業ではなく、まずは国内営業で経験を積むという考えも十分にあります。しかし、これも会社の方針や規模、成長フェーズによることを忘れてはいけません。大手になると営業も代理店経由メインで殆ど代理店管理という部署もあるでしょう。またいつまで経ってもひたすらテレアポという可能性もあります。

視点を変えて、B2CとB2Bの視点では、営業というよりも「販売」アプローチも異なるわけです。B2Bの中でも今はインサイドセールスといった営業もあり、これもまた営業の業務内容がことなります。そしてマーケティングと営業がごっちゃになっているケースもあります。そうなると営業といっても実際に自分が従事する営業業務まさに十社十色です。

それでも新卒としての海外営業は長期的にプラス

さて、つまりは自分のゴールと海外営業の位置づけ、就職する会社の動きによって異なる、そして営業も多様化しており、まさに一概に言えないが回答なわけですが、やりたいこともよくわからず、就職したい会社もなんでもいい方がいたとして、その方に新卒として海外営業をお勧めするかどうかというと、勧めると思います。

それは駐在でなくても出張ベースで海外に行くケースは少なくともあるわけであり、異なる環境は学びが多く、国が変わることの環境変化は実に多くの体験をすることができます。語学と言ったベーシックなことから、商慣習という点で苦労が多いですが、営業という業務ひとつにとらわれることなく、ビジネスパーソンとして(スキルとは別の意味の)土壌を豊かにするという海外現地で仕事に携わる経験は、特に若いうちに経験することをお勧めします。

さて、海外営業に関して興味を持った方は、以下にやりがいや実態、転職等に関してまとめましたので、ご興味がある方は是非一読ください。

海外営業になるには – 転職準備編 –

海外営業に転職する際の注意点 – やりがい編 –

海外営業って大変なの?

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