世界を舞台に活躍する海外営業。その響きに憧れを抱き、キャリアの新たな一歩として転職を志す方は少なくないでしょう。しかし同時に、「自分は通用するのか」「語学力だけで務まるのか」そして何より「転職を有利に進めるために、何か武器になる資格はあるのだろうか?」といった疑問や不安が頭をよぎるのも事実です。
そこで今回は、海外営業職への転職を目指すあなたのために、資格は本当に必要なのか、そして取得するならどの資格が評価されるのか、という疑問に正面からお答えしていきます。
有効なそのものズバリの海外営業職の資格はない
まず結論から申し上げますが、医師免許のような「これさえあれば海外営業になれる」という、ど真ん中の資格は存在しません。もし存在したとしても、残念ながら採用の場で決定的な武器にはならないでしょう。なぜなら、その資格の認知度が極めて低いからです。
そもそも、営業という仕事の核心は、資格で測れる知識量ではありません。顧客が抱える課題を的確に見抜き、信頼関係を築き、ロジカルな提案で相手を動かす。こうしたヒューマンスキルと論理的思考力、そして時に求められる精神的な強さが全てです。これは国内であろうが海外であろうが、決して変わることのない営業の本質といえます。資格というナレッジだけでは、百戦錬磨の海外バイヤーを相手に、受注の山を築くことはできないのです。
面接官の立場になってみれば、評価の尺度は非常にシンプルです。転職であれば、前職での営業実績。未経験からの挑戦であれば、これまでの経験の中で、どのように課題を発見し、解決してきたかという問題解決能力です。 もちろん、資格取得にかける熱意や姿勢が評価されないわけではありませんが、実績やポテンシャルといった要素に比べれば、その比重は決して大きくないのです。
海外営業において評価対象になる関連資格
「では、資格の勉強は無駄なのか?」というと、決してそうではありません。海外営業への転職市場において、明確に評価対象となり、あなたの市場価値を高めてくれる「武器」となる資格は確かに存在します。時間を投下するのであれば、費用対効果の観点から、以下の2つに絞って集中的に取り組むことを強くお勧めします。
TOEIC
言うまでもないかもしれませんが、まず乗り越えるべきはTOEICです。これは海外営業というグローバルな舞台に立つための、いわばパスポートのようなもの。実務ではスピーキング能力が何より重要ですが、採用や昇進の基準として、今なおTOEICスコアが客観的な指標として重視されているのが現実です。
目指すべきは、まず700点オーバー。そして、ライバルに差をつけるなら860点以上あれば、英語力で足切りされることはまずないでしょう。990点満点を目指す必要はありません。
ちなみに、これは現場のリアルな話ですが、TOEIC満点でも英語が全く話せない人は実際にいます。 スコアはあくまで英語の基礎体力があることの証明と割り切り、一定のスコアに達したら、オンライン英会話などを活用して、とにかく「話す」トレーニングに時間を投資しましょう。
忙しいビジネスパーソンが効率的にスコアアップと実践力を両立させるなら、3分のスキマ時間で学べる「スタディサプリENGLISH ビジネス英語」のようなツールでインプットを増やしつつ、対面での会話量を確保することが有効です。
本気でコミットするなら、マッキンゼー出身者が創業した「PROGRIT」のような英語コーチングで、学習方法そのものを最適化するというアプローチも、今の時代らしい選択肢と言えるでしょう。
貿易実務検定
商社では取得が必須とされるケースもあるほど、この資格の重要性は高いです。特に、有形のモノを輸出入する商社やメーカーの海外営業を目指すのであれば、貿易実務の知識は必須と言っても過言ではありません。 なぜなら、商談では「FOBだといくら?」「CIFで見積もりをくれないか?」といった貿易条件に関する質問が当たり前に飛び交うからです。 この知識がなければ、価格交渉の土俵にすら上がれず、話になりません。
この資格は、あなたが単なる「売り子」ではなく、リスクやコストまで含めた取引全体を設計できる、専門性の高い人材であることを証明する強力な武器になります。面接で「貿易実務検定を持っています」とアピールできれば、他の候補者と明確な差別化を図ることができるでしょう。
終わりに
いかがでしたでしょうか。海外営業職への新卒での配属や中途で転職を目指す上で、採用の確度を少しでも上げたいのであれば、特にTOEICのスコアUPは必須、貿易実務検定はあれば尚良しです。
但し、先述の通り、これら資格も大事ですが実績や課題解決能力・提案力がコアであり、また、この人から買いたいと思ってもらうことができるようなヒューマンスキル、そしてメンタル的要素等まで、面接でPRできることが重要であり、それに加えて資格がありますという位置づけが良いでしょう。但し、英語はもはや必須ですのでTOEICはきちんと勉強しましょう。
さて、海外営業に関して興味のある方は、以下にやりがいや実態、転職等に関してまとめましたので、ご興味がある方は是非一読ください。



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