国内輸出とは?
中小メーカーが始める越境ビジネスの第一歩
「国内輸出」とは、訪日外国人観光客(インバウンド)に向けて日本国内で商品を販売することを指します。これは、従来の輸出と異なり、貿易実務や物流の複雑さを伴わず、国内の直営店で完結するため、中小企業や中堅メーカーにとって手軽に始められる越境ビジネスの第一歩となります。
特に、今治タオルや伝統工芸品など、BtoC向けの製品を製造し、直営店舗を持つ企業にとっては、訪日観光客の需要を取り込むインバウンドマーケティングは絶好の機会です。
インバウンド市場の現状と可能性(2025年時点)
日本政府は、2030年までに訪日外国人観光客数を6,000万人に増加させる目標を掲げています。2024年には、コロナ禍からの回復が進み、訪日観光客数は約3,600万人に達しました。特にアジア圏からの観光客が増加傾向にあり、彼らの出費がインバウンド消費を大きく押し上げています。このような背景から、訪日観光客をターゲットにした販売戦略は、今後益々重要性を増すと考えられます。
店舗周辺のインバウンド需要を見極める
訪日観光客の需要を取り込むためには、まず自社店舗の立地がインバウンド需要に適しているかを確認することが重要です。以下のポイントをチェックしてみましょう。
- 周辺に観光名所やホテルがあるか
- 外国人観光客が多く訪れるエリアか
- 交通の便が良く、アクセスしやすい場所か
これらの条件を満たす場合、訪日観光客の集客が見込めるため、免税店化を含めた販売戦略を検討する価値があります。
免税店(輸出物品販売場)申請の手順と要件
訪日観光客向けの販売を強化するためには、免税店(輸出物品販売場)としての許可を取得することが効果的です。以下に、申請手順と必要な要件をまとめました。
申請手順
- 申請書の提出先
事業者の納税地を所轄する税務署に、「輸出物品販売場許可申請書(一般型用)」を提出します。 - 必要書類の準備
- 販売場の見取図(免税販売手続を行う場所を明記)
- 免税販売手続マニュアル(販売員向けの手順書)
- 免税販売手続を行う人員の配置状況が確認できる資料
- 事業内容が確認できる資料(会社案内やホームページのURLなど)
- 取扱商品の一覧表やカタログ
- 購入記録情報の提供方法等の届出書
審査期間
申請から許可までの期間は、税務署の混雑状況にもよりますが、通常1か月程度とされています。
許可要件
- 消費税の課税事業者であること
- 過去に国税の滞納がないこと
- 店舗が訪日観光客の利用が見込まれるエリアにあること
- 免税販売手続に必要な人員と設備を有すること
免税販売の実務ポイント
免税販売を行う際には、以下のポイントに注意が必要です。
- 購入記録情報の提供
免税販売の都度、購入記録情報を電子的に国税庁に提供する必要があります。 - 包装の要件
消耗品については、指定された方法で包装し、開封防止措置を施す必要があります。 - 購入者への説明
免税販売の条件や手続きについて、購入者に適切に説明することが求められます。
サマリ
国内輸出から始める越境ビジネスのススメ
訪日観光客の増加に伴い、国内での免税販売は小売業者だけでなく卸やメーカーにとっても新たなビジネスチャンスとなっています。直営店を活用し、免税店としての許可を取得することで、越境ビジネスへの第一歩を踏み出すことが可能です。まずは、自社店舗の立地や訪日観光客の動向を調査し、免税店化を検討してみてはいかがでしょうか。
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