海外営業に将来性はあるのか?
海外営業職に転職をしたい、あるいは現在海外営業職だが昨今のAI等もあり今後海外営業業務自体に将来性があるのだろうかと悩まれる人は少なくありません。今回はそんな疑問について考えてみたいと思います。
AIで海外営業の業務はなくならない
まず先に結論ですが、AIによって営業業務が完全になくなることはありえません。マーケティング業務だとわかりやすいですが、自動化&機械学習の組み合わせにより業務範囲が減る(むしろやらなくてすむというベネフィットを享受する)というのはあるでしょう。AIはどちらかというと海外営業の業務を楽にしてくれる存在です。
例えば身近なところではグーグル翻訳は機械学習が実装されて劇的に翻訳レベルが向上されています。機械自体が学習していくので、世界中で毎秒グーグル翻訳を通して大量の文字が翻訳されている中で、インプットが多ければ多いほど、半端ないスピードで翻訳精度が上がっていきます。翻訳に関していうと、AIにより海外営業業務を楽にしてくれるものであり、代替されるということはなく、代替されるのはどちらかというと翻訳業者の業界になります。
本領発揮する前にPLCが終焉する
AIには大量のデータが必要であり、企業の商品販売のサイクルから考えるとデータ取りの期間が短く、機械学習が効果を発揮するほどのデータは十分に取れないでしょう。例えば、海外展示会での商品説明・商談を想定してみましょう。ロボットが商品説明している姿は思い浮かびますよね、そして、Q&Aも想定問答に機械学習を実装して、どんどん想定質問をストックし、より適切な回答をレスポンスするというのも考えられます。しかし、機械学習には大量のデータが必要で、企業はひとつの商品を販売開始してからずっとその商品を未来永劫予算投下して重点的にPRし続けるわけありません。AIには大量のデータが必要であり、企業の商品販売は基本的に一過性であり、AIを商談領域で人に変わる何かをするには期間的に短すぎてデータが足りないでしょう。つまり、商談相手のイレギュラーな質問に高い確度で答えられるほどデータ取りの期間が足りず、AIが本来の力を発揮できないことが想像に難くありません。
ビジネスは人と人。クロージングはそのど真ん中
そして、忘れていけないのが、BtoBバイヤーも経済合理性は重要ですが、生身の人間です。また「予想通り不合理」はB2Cのコンシューマーに限らず、B2Bのバイヤーも例外ではありません。ロジックだけで購入しないですよね。もし、同業他社が営業部隊全員をペッパーくんみたいなAIロボットにして、生の人間を置かなかったら、むしろ大チャンスです。営業の中でも商談におけるクロージングでAIロボットは微妙ですよね。ビジネスは基本人と人で成り立つことであり、特にクロージングはそこが重要です。AIはあくまで、業務効率化や検査工程等の精度向上、分析精緻化に優れ、営業の前段階のマーケティングによる集客や広告ではバリューがありますが、営業パーソンが代替されるというものではないといえるでしょう。その意味ではジャパネットたかたの社長VS AIロボットでどっちから商品を買うかを実験すれば自明だと思います。唯一AIが驚異となるのは、AIが感情を持ったときでしょう。今は超リアルな人間の顔や体をしたロボットがあるので、それらの口の動きの不自然さがなくなり、かつ感情を表情やべしゃりの部分で表現できるようになったら、そっちのほうが脅威かもしれないですね。
海外営業の求人需要は今後増える
逆に海外営業の需要は今後増えていくといえます。それは、国内では人口減により、大きなトレンドとしては多くの市場がシュリンクしていくため、企業の国内売上は概ね減っていく流れは硬いでしょう。そうすると企業は簡単に社員を解雇できないため、生き残るために減少する売上・利益を食い止める必要があります。その際に選択肢として、人口減にあまり影響を与えないような事業モデルを国内市場で展開するか、あるいは海外に活路を見出すかとなり、前者は新規事業であり千三の世界です。そして後者のほうが難易度は高いけれど、既存事業の横展開であり、ローカライズを加味した展開をすれば、まだ着手しやすいです。
お隣の中国は10億人を超える市場であり、ASEANはじめ新興国も中間層が増えてきています。まだ日系が少ないアフリカ大陸だってあるわけです。それに世界一のアメリカ市場もあります。人材の調達に関しても、現在多くの外国人が日本に仕事をしに来日しています。特定技能1も解禁となりました。その意味で以前より海外に出やすくなっているとはいえます。必ずしも海外進出(直接投資)する必要はありません。物理的なモノを販売してる企業であれば輸出でも全く問題ないわけです。そう考えると、大手中小問わず、海外販路開拓は重要となり、そのための海外営業は今後増加する流れは必然と言えるでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。今回は海外営業の将来性をAI、国内市場の現況、外国人材の調達の観点からみてきました。AIはマーケティング寄りの広告含む集客という観点では機能しやすいですが、商談のクロージングがコアとなる営業においては、そこを代替するにはまだ無理があると言えます。悲観的にならず楽観的に海外営業職になるために今できることをしていきましょう。他にも海外営業に関して、やりがいや実態、転職に関してまとめた記事がございますので、ご興味がある方は是非一読ください。
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