マーケティングの種類をざっくり理解できるリスト

今回はマーケティングってそもそもどんな種類があるの?という疑問に答えるべくリスト化しました。ちなみに英語で色々と調べていると160以上の種類を掲載している記事もありましたが、それ載せる必要ある?という目的がただの列挙になっておりかえって分かりづらい内容も多く、ここでは最低限このあたりを押さえておけば十分という種類に絞りました。

ただ列挙してもいまいち全体像が見えづらいと思いますので、初心者の方を想定して、どのような視点で捉えると自分の関連するマーケティングの領域が分かるのかを目的としてシェアします。厳密な定義をリスト化する目的ではなく、あくまでマーケティングの「視点」を身に付けるという入口の情報としてご活用頂くと良いかと思います。

対象顧客視点

B2Cマーケティング

Business to Customerの略であり、一般消費者への販売を目的としたマーケティング。尚、事業モデルとしてのB2Cは、街の小売や飲食店、サービス業を思い浮かべると分かり易いです。

B2Bマーケティング

Business to Businessの略であり、法人への販売を目的としたマーケティング。事業モデルとしてのB2Bは、産業材が分かり易いですが、ここ数年は法人向けSaaSが活況を呈していますね。最近ではABM(アカウントベースドマーケティング)というLTVやROIの観点から個ではなく企業単位で優良顧客を合理的に定義してマーケティングと営業が一体となってロイヤルカスタマー化を目指すアプローチもあります。

CRMやMA(マーケティングオートメーション)等の技術革新により、絞り込むためのデータが蓄積されている、つまりData availabilityによる制約がかなり減ってきているとことが背景にあるといえます。

但し、これは日本企業の従来の営業スタイルであり、日本企業にとっては目新しいものではありません。日本企業にとってはCRMやMA等と連動させてデータドリブンな意思決定をすることを意識すると良いかと思います。

B2B2Cマーケティング

尚、あまりB2B2Cマーケティングと語尾にマーケティングという言葉をつけませんが、ビジネスモデルの視点で捉えると、法人を経由させて消費者への販売を目的としたB2B2Cモデルも覚えておくと良いでしょう。

事業モデルとしてのB2B2Cは、楽天市場やAmazon等のプラットフォームが分かり易いです。自社での販売が難しいため、集客力のあるのプラットフォームを利用して彼らのプラットフォームで消費者に販売します。

あるいは自社ECサイトでの販売等、また最近ではリカレント教育等がブームですが、Udemy等、講師が生徒を求めて活用するオンライン教育プラットフォームはサービス業のB2B2Cといえます。

チャネル視点

オフラインマーケティング

デジタルが普及する前の従来型のリアルな世界でのマーケティング。事業環境分析を経て、STP分析によりターゲットと自社のポジショニングを定めて、ブランディングの視点を念頭に、4P(Product / Price / Place / Promotion)あるいは7P(サービス業)の視点で戦略に落とし込むパターンがスタンダードです。

オンラインマーケティング

インターネットの普及により、ネットを駆使したマーケティングの総称です。オンラインマーケティングの具体例は後述し。目的との整合性は大前提ですが、主に集客とコンバージョン(転換率:資料請求や問い合わせ、購入等)の2つの視点でマーケティング戦略や施策を検討していくと最低限の網羅性は保つことができる。

O2Oマーケティング

Online to Offlineの略であり、読んで字の如く、オンライン⇔オフラインの行き来を促進させるマーケティング
このあたり少しわかりにくいので例を挙げます。リアルでの接触からインスタに誘導したり、オンライン広告でリアル店舗に誘導する等。端的には、「線」と捉えると理解しやすい。

オムニチャネルマーケティング

オムニの意味は次の通りであり、要はALLのチャネル。

– all; of all things.
– in all ways or places.
販売及び流通チャネルをつなぎ、更にバッグエンド(在庫等)も連動させたマーケティングアプローチ。尚、マルチチャネルは複数チャネルであり、オムニチャネルはすべてのチャネルという違いがある。
ざっくり「二重円」と捉えると分かり易いかもしれません。外の円が顧客接点のチャネルで内側の円がバックエンドがalong withで繋がっているというイメージです。

OMOマーケティング

Online Merges with Offlineの略であり、オンラインとオフラインを融合させるという意味です。オンラインもオフラインもシームレスに繋ぎ、一貫性のあるユーザーエクスペリエンス最大化を狙うマーケティング。

なんか、もう違いがわかりづらいですよね。シームレスに融合させることを考えると、オンラインとオフライン各々のデータも統合的にバックエンドで管理できているとだろうと考えるとデータドリブンというのUX最大化の根拠となる特徴になるといえそうです。もはや、この領域では中国が日本と比べても遥か先に行っている状態です。

オンラインマーケティングの種類

オンラインマーケティングは種類が多いため、ここで一レイヤー下げて紹介します。以下粒度感まで先ずは押さえておけば良いかと思います。

デジタルマーケティング

WEBサイト関連だけでなく、デジタルデバイスやアプリ等含めた包括的なオンライン上のマーケティング

WEBマーケティング

WEBサイトを起点としたマーケティング

ソーシャルネットワークマーケティング

SNSを活用したマーケティング。

Facebook, Instagram, Twitter, TikTok, YouTube, LinkedIn, Pinterest, Line等々

インフルエンサーマーケティング

フォロワーの多い人にお金を払って宣伝なりブランディングなり、販売してもらうマーケティング

インスタグラマーやYouTuberが分かり易いですね。単にフォロワー数が多ければよいわけではなく、カスタマージャーニーを想定した上で各フェーズにあてはまりのよいインフルエンサーをフォロワー数の規模で選択する視点も大切です。

インフルエンサーの種類 フォロワー数
メガ 100万人以上
ミドル 10万人~100万人
マイクロ 1万人~10万人
ライト 1千人~1万人

コンテンツマーケティング

顧客にとって価値のあるコンテンツを配信することでブランディングや顧客の育成等を行い、リード、ひいては顧客を増やすマーケティング。記事の作成に慣れていない人も少なくなく、また広告と比べると成果が出るまでの期間が長いですが、良質な記事であれば、書く記事が集客を24時間365日してくれるため、ランニングコストのかからない優秀な営業パーソン(=記事)を育てるという視点を持てるかがポイントともいえます。

インバウンドマーケティング

アウトバウンド(外方向)に対するインバウンド(内方向)。情報を発信して、そこから問い合わせを獲得する。その手段として、コンテンツマーケティングが重宝されます。

尚、同じインバウンドマーケティングと表現される訪日観光客(=インバウンド客)を取り込むためのマーケティングもインバウンドマーケティングと呼ばれているため、文脈によって気を付けてください。

SEM(Search Engine Marketing)

検索エンジンをハックし上位表示を狙うマーケティング。SEO(Search Engine Optimization)もこのカテゴリに含まれる。例えば代表格のGoogleは、検索順位を決めるシグナルが200~300あると言われており、いかにそれらに対して対応するかもポイントとなる。しかしファンダメンタルにGoogleは良質なコンテンツが多くの人に届くことを大切にしているので、あまりテクニカルな要素にこだわるあまりコンテンツの質を疎かにしては本末転倒。尚、リスティング広告塔、検索がらみのネット広告もここに含まれる。

アフェリエイトマーケティング

広告主視点では成果報酬型で要件を設定し、外部を活用して販促してもらうマーケティング。
ブログが分かり易いが要は販売代行を募るようなもの。代表的なASP(アフェリエイトサービスプロバイダー)としてA8ネット等がある。尚、国内ではASPを使うケースが多いが、海外では単体ソフトウェアとしてアフェリエイトサービスを実装している企業も少なくない。

Emailマーケティング

見込客/顧客に対してEmailを送ることで購買等の目的に繋げるマーケティング。古くはメルマガ、最近ではMailchimpBenchmarkといったHTMLメールが作成できるサービスが最近は普及している。また、マーケティングオートメーションの文脈で既定のメールをトリガーを起点に自動で送るSTEPメール等も含まれる。

異分野学術視点

ニューロマーケティング

ヒトの感覚運動、潜在的な無意識含めた認知、感情的反応等、脳科学の知見を取り入れた商業コミュニケーション分野のマーケティング。

行動経済学

厳密には学問として成立しており既にノーベル賞受賞者が複数いる学問ですが、マーケティングの第一人者ともいえるフィリップコトラーが「行動経済学はマーケティングである」と述べたことは有名です。従来の経済学はヒトは合理的な意思決定をするという前提に立っていますが、行動経済学では、それに異を唱えた学問であり、経済学に加えて人間の心理学を重要視している点が従来の経済学との違いです。

有名な論理としては価格のアンカリング等のヒューリスティックや不確実な状況下においてどのようにヒトは選択をするのか、また、工夫により自発的に意図した行動を促すナッジ理論等があります。書籍では「予想通り不合理」という本がベストセラーになりましたが、マーケティングにおいては、人間の行動経済学ベースでの意思決定を踏まえたマーケティングといえます。

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