海外営業に成功する企業は何をしてる?

[dropcap]世[/dropcap]の中で海外営業がうまくいっている企業は一体どのように行っているのだろうか?そのような疑問は中小企業から大企業まですべての企業が興味を持つ関心事です。今回はそんな疑問を一つの視点から紐解いていきましょう。海外販路開拓がうまくいっている企業は「ヒト・モノ・カネ・情報」のいわゆる経営資源のいずれものミニマム水準でクリアはしています。その中で今回はテーマは「情報」です。「情報」の観点から海外販路開拓の勝ちパターンを探ることがポイントです。

冒頭の海外営業がうまくいっている会社としてグローバルニッチトップ企業を例に挙げて考えてみましょう。尚、グローバルニッチトップ企業とは経済産業省認定している「国際市場の開拓に取り組んでいる企業のうち、ニッチ分野において高いシェアを確保し、良好な経営を実践している企業」(出所:経済産業省ウェブサイト)を指します。

グローバルニッチトップ企業には共通のアプローチがある
その一つの答えとなりうるものが経済産業省発表の資料のグローバルニッチトップ企業に対するアンケートの調査結果の中にありました。ポイントだけ拾うと「ニッチ分野で強みを持つために重視する情報収集経路(複数回答)」において1位で「顧客からの相談(93%)」との回答があり、別の質問でも「海外の規制の策定・変更情報の収集経路(複数回答)」においても1位ので「顧客 (67%)」となっておりました。

前者においてはマーケットインの発想を持つためにも頷ける話であり、言われれば当たり前と思いながらも実践するのが難しく、その重要性を再考させられます。国内はできても海外は難しいから仕方がないという、その壁をいかに乗り越えるかはやはり肝といえます。

グローバルニッチトップ企業は規制調査も顧客をフル活用する
今回はテーマではむしろ後者の質問が興味深いといえます。というのも、現地調査において規制というのは日本からの輸出時と現地輸入時、海外進出の仕方によっては、現地の販売規制といった3つの視点があり、またそこに認証も絡んでくるため面倒だからです。輸出時は日本語で調べられるため比較的ハードルは低いですが、現地輸入時の規制は、現地省庁のサイトから調べる必要もあり、特に新興国のサイトは英語対応していなかったり、ユーザービリティが非常に悪いため調べるだけでかなり骨の折れる作業になります。

また、規制や認証を怠ることでのトラブルや発生した被害は甚大であるため、尚のこと慎重になってしまいます。そのためやたらに調査に時間がかかってしまう領域でもあります。

しかしながら、今回のグローバルニッチトップ企業の調査では、この肉体的にも精神的にも骨の折れる作業を彼らは顧客に聞くという最も手っ取り早いケースを取っているため、とても効率的なアプローチをしている考えます。ここで顧客というのはいくつかのケースが考えられます。

先ず、日本の輸出メーカーによくあるケースとして、国内の供給先であるメーカー(例えば完成車メーカー)が現地工場を設立し、当該現地工場が調達をしたいので、供給してほしいと依頼されるようなケースです。この場合の顧客は既に現地にも進出しており国内の取引先でもある完成車メーカーです。彼らが現地で持つ規制の情報は既に進出してそれなりにF/Sをかけているでしょうから信憑性は高いといえるでしょう。

また現地ローカル企業と既に取引がある場合も同様といえます。もちろん最終的には自己責任になりますから検証すべきですが、少なくとも取っ掛かりとしては十分な情報入手口といえます。

次に、現地の直接的な販売先のディストリビューターや国内商社も直接的な顧客ともいえます。彼らはまさに現地輸入に精通しているため、情報入手口として良いでしょう。

また、小売直でも、BtoBのエンドユーザー向けでも、小売バイヤーやBtoBエンドユーザーが知っているケースも大いにあります。基本的には彼らも類似商品や広い意味で過去に類似品・同カテゴリ品を扱っているケースが多いため、あるいは現地でタッグを組んでいる輸入業者がいるため規制や認証に関してだいたいのあたりをつけることが出来ます。

そう考えると逆に難しいのは例えば越境ECのようなこちらの責任で直で現地消費者に輸出するようなケースでしょう。このあたりは顧客に聞くという選択肢がないため、確認作業が必須となってしまいます。尚、越境ECであれば簡単な方法も実はありますので次回以降でそれらについては言及していきます。

いかがでしたでしょうか、顧客に聞くという選択肢は海外マーケティングや海外営業においても十分に調査段階から効率的に行える方法です。信頼関係や最終的な検証義務はありますが効率的に進めるという意味でぜひ活用していきたいものですね。何がともあれ無駄なアプローチをやめて残業をやめて人件費の削減と従業員満足度の向上、生産性を上げていきましょう。

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