直営店を持つメーカーの「国内輸出」第一歩。

出を始めたいけど、ちょっと不安、と思われる中小・中堅メーカーさんも少なくないと思います。そのような場合に手軽に行える一つの方法として、「国内輸出」があります。さて、国内輸出ですが、端的に言うと国内において外国人向けに販売することを指し、しばしインバウンド需要を取り込む(訪日観光客に販売する)意味で使われています。国内の消費者に販売するこれまでのモデルと変わらないため、貿易実務等は無縁であり、手軽に始めることができます。但し、対象となるメーカーさんは今治タオルメーカーさんの直営店等、BtoCプロダクトを作っているものづくり企業さんかつ店舗を有しているメーカーさんが対象になります。

政府は20年訪日観光客4千万人を狙う。訪日観光客の平均支出も17万円でありマーケットは大きい

また、政府も訪日観光客を増やそうと20年時点で訪日外国人観光客の数を4000万人まで底上げする目標を抱えており、かつ中国や最近ではサウジアラビアの国王とその取り巻きがごそっと来日したことは記憶に新しいですね。そのようないわゆる「爆買い」群やそうでなくても旅行という財布が緩むことも絡まり、訪日観光客の一人当たりの旅行支出の平均は約17万円(平成27年1-3月期)にのぼります。現在は、中国政府が中国外での中国人の消費を抑制すべく、対策が講じてられてきていますがそれでも今後はコンスタントに売上として訪日観光客の割合はそれなりになると思います。

国内輸出の第一歩は店舗周りを意識して見渡してみること

さて、既存店舗が既にある前提で訪日観光客の需要を取り込もうと思った際に、何からやるべきだろうか。大きくは集客と、店舗に来店されてからの購入率を上げる二つの方法があります。明らかに周りに訪日観光客が訪れるような観光資源がないような場合や、ホテル等の宿泊施設がないような場合は正直難しいでしょう。しかしながら、そのような視点で今一度店舗周りをよく見ていると訪日観光客が歩いていたりするものです。冷静に少しどれくらいの人が界隈にいるのかを把握することは大切です。

国内輸出の次のステップは免税店申請をしよう

訪日観光客の需要が期待できると分かれば、先ずは時間がかかる、かつ集約や購入率に寄与する「免税店」の申請を推奨します。2016年に一般物品及び消耗品ともに免税対象額が「5000円以上」に引き下げが行われたこともあり、訪日観光客にとっても利便性が高まっています。なにより消費税8%、約1割安く買えることは誰であれ魅力的に映りますので店側としてもメリットがあります。それではどのようにして免税申請をするのか、その手順をみていきましょう。

免税店申請をする場合は、基本的には輸出物品販売場許可申請書申請と関連する書類を持参して、管轄の税務署に添付するだけで事足ります。以下必要な書類になります。申請書も下図の通り、会社情報以外にほぼ書くことないよね、といった簡単なものになります。

また付随的に必要な書類は以下の通りです。

① 対象となる販売場の見取図

② 社内の免税販売マニュアル

③ 申請者の事業内容が分かるもの
(会社案内パンフレット、自社サイトURL等)

④対象となる主な取扱商品
(リスト可)

これらは提携フォーマットはないので自社で作成する必要があります。ここで多少わかりづらいのは②でしょう。このマニュアルの目的は政府からみたらきちっとできるのかどうかを判断するためのものです。つまり、イメージとしては新しく店にアルバイトを置いて、その方に免税手続きを行ってもらうために一連の作業が分かるものであれば何でも良いわけです。

参考になるものとして、(公財)京都文化交流コンベンションビューローがサイトで紹介している「店内マニュアル一般物品販売」または「店内マニュアル 消耗品販売」を参考にして作成されると良いと思います。少し面倒くさいと思うかもしれませんが、実際にオペレーションが始まったら出来ていないといけないのでそこはきちんとやりましょう。

さて、申請が終わったら後は結果を待つだけですが、期間は税務署によって異なります。慣れている税務署や込み合っている税務署は当然に時間がかかりますが直近の私たちのお客様は1ヵ月程でした。気長に待ちましょう。

ちなみに要件ですが、基本的には①国税の滞納がないこと、②訪日観光客がいるエリアであること、③免税に必要な人員と手続きを行う設備を有することです。②は先述の最初のステップとして訪日観光客が店界隈にいるかをチェックする中で明確になっていると思います。③免税に必要な人員とは、必ずしも語学に堪能である必要はなく、指差しシートで説明できればそれで十分というのが現状です。また設備とは記入等をするためのレジ横に台がある等の手続きをするための場所が確保できているかという視点です。このあたりは見取り図に反映させる必要があります。申請が降りたら実際のオペレーションに入りますが、そちらの仕組みに関してはまた後日取り上げたいと思います。

いかがでしたでしょうか。先ずはやってみることが大切です。可能性があるものを無作為に行うのはリソースの絵制約や分散の意味でも考え物ですが、ある程度調査成考えてみて迷うようでしたらやってみることをお勧めします。

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