翻訳業者に依頼する際に絶対に押さえておくべきこと

英訳は実は考えている以上に奥が深く、受注に直結する

海外向けウェブサイトや越境EC、商品パンフレットや商談資料等において、海外展開する以上は現地語、少なくとも英語に翻訳する必要があります。基本的には業者に英訳を依頼して終わるケースが大半だと思いますが、その結果、以下のようなケースに心当たりはありませんか?

– 海外向けウェブサイトがうまく集客できていない
– 実際の商談で商談資料やパンフレットを見せても反応がいまいちで成約に至らない

これらに心当たりがある場合は、このまま同じ海外向けウェブサイトや商談資料を修正しないで使用し続けると大きな機会損失が累積する可能性があります。当該リスクを回避するためには、英訳を依頼した後に業者側で「誰が英訳をどのように行ったのか?」を把握したうえで次回以降適切なプロセスを踏む必要があります。

バイリンガルの日本人、あるいはネイティブがやるから良いとは限らない。

さて、英訳が行われるプロセスはおおきくは2つに分かれます。

1.  日本語のわかる英語ノンネイティブ(非英語圏の生まれ・育ちのヒト)が英語に訳す
2.  日本語のわかる英語ネイティブ(英語圏の生まれ・育ちのヒト)が英語に訳す

国内の業者で考えると基本的には1のケースが多い、2のケースが少ないことは感覚的にも分かると思います。そして、業者の中では2をPRする企業も少なくありませんが、2の方が良いかというとこれも実は一概に言えません。

重要なことは一貫して「翻訳する人が双方の言葉をどれくらい理解しているか?」であり、1のケースでは、原文は理解しているけど、英語に直すには表現が難しく悶々とするといったパターンがあり、2のケースでは、文法的にはうまく英語で表現できるが、原文を実はきちんと理解しきれていないといったパターンが考えられます。

また、1及び2のケースに両方とも当てはまることとして、翻訳する人が業界で使われている言葉が何か分からないといったことも往々にして発生します。要は、日本人だから、現地人だからと言って、誰もが旋盤技術の専門用語を知っている訳ではありませんし、そして調べて分かる専門用語もあれば、なかなか分からない用語もあります。

理解すべきは、英訳の構造と役割分担・求められるスキルを知り、業者にプロセスおよび担当者を確認すること。

そう考えると英訳とひとことで言っても難易度が実は極めて高いことが分かります。その事実を踏まえた上で確率論的に安全なアプローチは、費用を無視すると以下になります。

① 業界(少なくとも大括りで製造業)のことをわかっている英語のできる日本人が英訳
② 業界(少なくとも大括りで製造業)のことをわかっている英語ネイティブがニュアンスと用語と文法を最終化

理想はこの形でこのようなハイスペック人材をダブルで有している業者は殆どいませんし、いたとしても価格は必然とかなり高くなります。そして業界的にはクラウドソーシング等の品質は落ちるものの安い個人への委託ルートができました。その結果、価格競争が起きており、一人が英訳しておしまいといった冒頭のクオリティに落ち着いてしまいがちといった構図になります。

以上を理解したうえ大事なことは、業者に依頼する際には、少なくとも誰が翻訳し、その料金にネイティブチェックは含まれているのかを確認することは必須です。バイリンガルですから大丈夫ですと言われたら、それは上記理由の通り減点対象であることを理解しましょう。但し、予算との兼ね合いもあるので先述のスペックの組み合わせでなくても、少なくともネイティブチェックが含まれていることは確認しておきましょう。

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