米国製造業のウェブマーケティング

造業のマーケティングは世の中の一般的なマーケティングとしてある種所与となっているBtoC商材と比べると、従来型のリアルマーケティング及びウェブマーケティングともに求められるアプローチや視点は異なります。そして欧米と日本の製造業者ではそのアプローチも異なります。今回は、結論ファースト、とりわけファーストビューが重要なウェブサイトにおいて、欧米の製造業のアプローチをみていきましょう。

トップページのファーストビューに何を表示すべきか

米国企業であるUNIPUNCH社のウェブサイトは示唆に富んでいます。パッと見ると昔っぽいレイアウトやデザインであり、そのあたりは決して秀逸とは思いませんが、ロジック面では大いに参考になります。

このサイトのポイントは冒頭の見開きファーストビューでいきなり商品説明から入るような押し売りをしていない点です。バイヤーも一般のヒトと同様に情報収集として先ずは検索します。その際に既にバイヤーが求めている内容が具体的であれば、おのずと検索ワードも具体的となり、その場合はトップページにいくよりも、得てして対象となる製品カテゴリページや個別製品ページにヒットし、下層ページにアクセスします。その視点にたつと、サイトの構成としてトップページのファーストビューにいきなり「うちの製品の特長は・・・」といった内容は、ウェブサイト全体の使い方として少々もったいないといえるでしょう。かといって会社概要に触れてもインパクトに欠けますし、ニュースレターを時系列に列挙しても、一足飛び感が否めませんし、そもそもピントがずれているといえます。

ベネフィットファーストはひとつの解

さて、それではどのような言葉を入れるべきでしょうか。その前に、皆さんは”Customer oriented”という言葉をご存知でしょうか。いわゆる顧客志向を指すのですが、みなさんは顧客志向を前提とした場合に何を冒頭で表現すべきだと思いますか?もちろん顧客(経営者、バイヤーあるいは商材によってはエンジニア等の内、意思決定権をもっている人)の購買プロセスのフェーズによって相手が求めることは異なりますが、購買プロセスと情報検索、そしてウェブサイト全体及び各ページとの関係性(検索してアクセスした段階でその検索ユーザーにとって所与となる情報や前提はどのようなものであり、どのような状態であるのか)を考えるとトップページの冒頭に持ってくるものとして、顧客が得られるベネフィットを記載することはひとつの解といえるでしょう。

商品説明よりも、商品を通して得られるベネフィットが何かを考える

それでは改めてUnipunch社のファーストビューを見てみましょう。商品の説明はなく、代わりに We’ve got it down to One minute”のメッセージとストップウォッチを持つ手が表現されています。例えばですが相手はプレスや金型、関連工具等を求めているのではなく、生産性を早くしたいのであり、その先には当然収益を解決したいという企業である以上のぶれないゴールがあります。そこを踏まえてベネフィットをうまく表現できると当然に相手は興味を持ち、ファーストビューとして少なくとも及第点は超えたといえるでしょう。

但し、全てにおいてベネフィットファーストと盲目的に捉えない

尚、必ずしもファーストビューにベネフィットを入れる必要もありません。用途でも良いですし、特長でも間違ってはおりません。大事なことは目的があることです。そして、その目的を達成するために、サイト全体をブロックに分けてどのように導線を描き、各ブロックで何が相手に伝わってほしいか、行動を起こしてほしいかが明確であることです。是非中小・中堅企業様で海外販路開拓をしたい製造業マーケティングのひとつの参考となればと思います。

いかがでしたでしょうか。有名なマーケティングの言葉として、客はドリルではなく穴を求めているのだという、まさにその発想を顧客とのあらゆるタッチポイントの媒体においてもれなく対応していきたいですね。

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